コラーゲン不足が肌の老化を加速?肌のコラーゲンを増やす方法とは

肌に効果のあるコラーゲンとは

年齢とともに気になってくるシワやたるみ、どうにかしたいと思う人は多くいます。でも「クリームやマッサージでなんとかなるの?」と疑問に思うことも多いはず。
実は、年齢とともに肌のハリや弾力が失われる原因の一つには「コラーゲン」が深く関わっています。コラーゲンは肌の支えのような存在で、これが減少するとシワやたるみが目立ちやすくなります。また、乾燥や紫外線も影響して、肌は年々ダメージを受けやすくなるため、対策は早めに始めることがポイントです。

加齢に伴ってコラーゲンが不足すると肌はたるんでくる

コラーゲンは、体内で細胞同士を結びつける接着剤のような役割を果たすタンパク質です。主に皮膚や骨、腱、軟骨、血管など全身に存在し、体全体の約30%を占めています。肌においては、真皮層で網目状に存在し、エラスチンやヒアルロン酸とともに肌の弾力や保湿を支えています。特に皮膚の真皮層には豊富に含まれており、肌の弾力性を保つ役割を果たしています。コラーゲンは生まれたばかりの赤ちゃんの時が最も多く、18~29歳頃をピークに年々少なくなり、加齢に伴って減少していきます。
コラーゲンには肌に潤いと弾力を与える効果のほかに、丈夫な骨や関節、腱、筋肉を形成する役割もあります。加齢や紫外線の影響によって、体内でのコラーゲンが減少すると、肌のハリ・弾力の低下、シワやたるみ、動脈硬化、骨粗鬆症につながります。

シワ・たるみの解消に日常生活で気を付けること

日常生活の中で気をつけるべき点も多くあります。紫外線対策を怠らないこと、保湿をしっかりすること、バランスの取れた食事を心がけること。これだけで完璧にシワやたるみを防げるわけではありません。年齢とともに衰える肌を支えるためには、内側からのケアも必要になってきます。
さらにプラスして、生活習慣の見直しも大事なポイントです。睡眠不足やストレスは肌の大敵。質の良い睡眠を確保し、ストレスを溜めないように心がけることも、美肌を保つためには欠かせません。

コラーゲンを増やすための食生活

コラーゲンの生成を促すためには、ビタミンCや鉄分を多く含む食べ物と一緒に摂るようにしましょう。ビタミンCや鉄分には、コラーゲンの生成をサポートする役割があるとされています。
ビタミンCはコラーゲンの合成に不可欠で、柑橘類、キウイ、いちご、パプリカ、赤ピーマン、キウイフルーツ、ブロッコリーに多く含まれ、鉄分はコラーゲンの生成を助ける働きがあり、赤身の肉、魚、貝類、大豆製品、小松菜、ほうれん草、豚レバー、かつおのたたき、納豆、乾燥プルーンなどに豊富に含まれています。

スキンケアでのアプローチ

外側からのスキンケアも、コラーゲンの生成を促すために有効です。レチノール(ビタミンA)は、肌のターンオーバー(新陳代謝)を促し、コラーゲンの生成を助けます。ナイアシンアミド(ビタミンB3)は、肌のうるおいを保つセラミドの生成を助けながら、コラーゲンの生成もサポートします。ビタミンC誘導体は、シミの原因となるメラニンの生成を抑え、コラーゲンの生成を促進する働きがあります。

生活習慣の見直し

紫外線は肌の老化を進め、コラーゲンを破壊する原因になります。そのため、日焼け止めを使用したり、帽子や日傘で紫外線を防ぐことが大切です。喫煙も肌に悪影響を与えます。血行が悪くなり、肌の老化が進みやすくなるため、コラーゲンの減少を防ぐためには禁煙が望ましいです。十分な睡眠をとることも重要です。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、コラーゲンの生成が促進されるため、質の良い睡眠を心がけましょう。また、適度な運動を取り入れることで血行が良くなり、肌の新陳代謝が活発になります。これらの習慣を意識することで、コラーゲンの減少を防ぎ、肌の健康を保つことができます。

美容クリニックのコラーゲン注入でシワ・たるみの改善

従来のコラーゲン製品では、体内に浸透させることが難しく、効果を実感しにくいという声がありました。コラーゲン注入は肌の奥深くにまでアプローチし、たるみやしわを目立たなくすることを可能にしました。
コラーゲン注入治療はコラーゲンを皮膚の真皮層に注入する方法や、レーザー療法や高周波治療を用いてコラーゲンの生成を活性化することで、体内のコラーゲン量を増やしてシワやたるみを改善することができます。クリームやサプリメントでは限界がある中、コラーゲン注入は肌の内側から働きかけ、自然な若々しさを取り戻すことができます。

再生医療でシワ・たるみを改善する

最近注目を集めているのが「再生医療」の技術を応用した美容治療。再生医療は細胞を活性化させることで、肌を若返らせるというものです。中でも、注目されているのが「幹細胞治療」。幹細胞には自己再生能力があり、これを活用して肌の再生を促すことで、シワやたるみを改善する効果が期待できると言われています。
さらに、再生医療の技術を応用した「成長因子」も有効です。成長因子とは、細胞の成長をサポートするタンパク質の一種で、これを肌に直接取り込むことで、コラーゲンの生成を促進し、肌の弾力やハリを取り戻す効果があるとされています。美容クリニックでの治療はもちろん、最近では成長因子を含んだ化粧品も登場しており、自宅で気軽にケアできる選択肢が増えているのも嬉しいポイントです。

まとめ

シワ・たるみの解消・改善の方法は様々あります。即効性があるけど費用が高額だったり、費用は抑えられるけど、効果がわかりにくいものもあります。肌の変化には時間がかかることもあり、続けることが大切です。特に、自宅でのケアは毎日コツコツと続けることが効果を高める鍵です。もちろん、定期的に美容クリニックで専門的な治療を受けることで、より確実に結果を感じることができるようになります。
シワやたるみが気になってきたら、まずは自分に合ったケア方法を見つけましょう。そして、専門家や専門の医師のアドバイスを受けながら、無理なく続けられる方法でケアを始めてみてみましょう。

よくある質問

コラーゲンを増やすために必要な栄養素は何ですか?

コラーゲンを増やすには、ビタミンCや鉄分、エラスチンなどの栄養素が大切です。ビタミンCはコラーゲンの合成を助け、レモンやキウイ、ブロッコリーに多く含まれています。鉄分は血流を良くし、肌の細胞再生を促進するため、レバーや赤身の肉が効果的です。エラスチンはコラーゲンの線維を支える働きがあり、魚介類や大豆製品に含まれています。

コラーゲンを増やすにはどんな食べ物を摂るべきですか?

コラーゲンの生成をサポートする食べ物には、鶏皮や豚足、魚の皮などのゼラチン質を多く含む食品が挙げられます。さらに、コラーゲンの働きを高めるビタミンCを含む果物や野菜、鉄分を含む赤身肉やレバーも組み合わせると良いでしょう。栄養バランスを意識しながら摂取することで、美肌を維持しやすくなります。

コラーゲンの減少を防ぐためにできる対策はありますか?

コラーゲンの減少を防ぐには、紫外線対策が重要です。日焼け止めを使用し、帽子や日傘で紫外線を避けることが大切です。また、喫煙は血流を悪化させ、コラーゲンの生成を妨げるため、できるだけ控えることが望ましいです。適度な運動や十分な睡眠も肌のターンオーバーを促進し、コラーゲンが減るのを防ぐ予防に役立ちます。

コラーゲンのサプリメントは本当に効果がありますか?

コラーゲンサプリメントは、体内で吸収されやすい「コラーゲンペプチド」として摂取することで、肌の潤いや弾力の向上に役立つとされています。ただし、コラーゲン単体よりもビタミンCや鉄分などの栄養素と一緒に摂取することで、より効果的に働くことがわかっています。毎日の食事と併用しながら、バランスよく取り入れることが大切です。

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この記事を監修した人

征矢野 進一は、日本の医師。 長野県木曽福島町生まれ。1979年3月に東京大学医学部医学科を卒業後、1979年から1988年3月まで東京大学医学部形成外科に所属し、1988年4月に神田美容外科形成外科医院を開設。東京大学医学部附属病院の医局時代にコラーゲンの治験に携わり、日本の「注入剤によるシワ取り治療」に貢献した一人。以来長年にわたりコラーゲンやヒアルロン酸などのシワ取り注入剤の研究を重ねる。日本美容外科学会会長も務め、臨床医向けの「注入剤によるシワ取り治療」の講義を依頼され行うと共に、国内・海外で行われる美容外科学会での発表や医師向けの教科書など論文・執筆も行う。