ほうれい線ができる原因と自分でできる対策

ほうれい線とは

ほうれい線とは、鼻から口元の両脇にかけてハの字に伸びるシワです。医学的に鼻唇溝(びしんこう)と言われます。
原因は紫外線や加齢に伴いコラーゲンやエラスチンが変性することで、頬の皮膚や筋膜がたるみ、ほうれい線やマリオネットラインとして現れてきます。加齢とともに「目立ってきた」と感じる人が多く、顔にあるだけで見た目年齢が上がってしまう悩ましい存在です。

目次

ほうれい線ができる原因

皮膚の弾力の低下

皮膚の弾力の低下は、肌内部に存在する繊維芽細胞であるコラーゲンやエラスチンが、紫外線や加齢などによって減少することにより引き起こされます。弾力の低下により、肌は本来のハリを失い、しわやたるみが発生しやすくなります。さらに、紫外線や加齢、乾燥などによって肌の健康状態が損なわれ、細胞への栄養供給や酸素供給が不足し、血流が減少することで、新しい健康な細胞が生成されず、皮膚の保水機能も低下します。これらの要因が複合的に作用してほうれい線が生じるようになります。

表情筋の衰え

顔の表情筋は、他の筋肉とは異なり、骨だけでなく真皮層に直接接続し、皮膚の基盤を形成しています。このため、加齢に伴い表情筋が衰えると、皮膚全体をしっかりと支えきれず、重力の影響で下向きに垂れるたるみが生じます。さらに、生活習慣が表情筋の衰えに寄与することもあります。表情筋が弱くなると、皮膚の脂肪が下に垂れてたるみを引き起こし、ほうれい線ができやすくなります。

骨格によるもの

若い人でもほうれい線が目立つのは、生まれつきの骨格や筋肉の発達に影響していることがあります。特に20~30代でほうれい線が目立つ人は、鼻の横にあるくぼみが大きかったり、骨の構造が細めだったりすることが原因とされています。

自分でできるほうれい線の予防対策

ほうれい線の「予防対策」には、紫外線ケアと保湿ケア、食事対策があります。早目のケアは肌の老化予防になり、ほうれい線が目立たないようになる可能性があります。

紫外線ケアで肌を乾燥から守る

紫外線は肌の老化に大きく影響を与える「光老化」と呼ばれる現象を引き起こします。これは、肌にしわやたるみ、乾燥などのダメージをもたらし、肌の弾力性を支えるコラーゲンやエラスチンの減少につながります。
紫外線は晴れた日だけでなく、曇りの日にも紫外線は降り注いでいます。紫外線対策として季節、天気を問わず日焼け止めを使用して、UVケアを心がけることが大切です。さらに、日焼け止めの使用に加えて、日中の強い日差しを避ける、帽子を着用する、日傘をさすなどの工夫をしましょう。

食事でほうれい線を予防する

ビタミンCが欠乏すると肌トラブルを引き起こしやすく、肌の弾力性やしなやかさを損ないます。肌の弾力が失われると、ほうれい線が目立ちやすくなります。
肌や筋肉は、主にたんぱく質から構成されており、皮膚の弾力・ハリを維持するのに欠かせないコラーゲンはたんぱく質からできます。たんぱく質は多量に摂取しても全てが利用されるわけではないため、1日3回の食事を心がけ、たんぱく質を摂取するようにしましょう。
また、色鮮やかな野菜に豊富に含まれているビタミンA、C、E、ポリフェノール、カロテンといった栄養素も積極的に摂りましょう。これらは抗酸化作用による老化防止や肌の美しさを保つ効果が期待できます。
不規則な食事や不適切なダイエットが原因で食習慣が崩れると、肌への影響が顕著に現れます。日頃の食事で摂る食材や飲み物に気を付け、栄養バランスの取れた食事を意識し、バランス良く取り入れることが大切です。

ほうれい線対策には保湿ケアが重要

肌の乾燥はシワ、たるみを引き起こし促進させます。紫外線ケアと合わせて、肌の保湿ケアを行うことでほうれい線やシワ、たるみを防ぐことができます。
日ごろから保湿力の高いヒアルロン酸やセラミドを含む化粧水や美容液を使用し、その後、乳液やクリームで油分を補いましょう。目の周りや口の周りなど、乾燥しやすい部分やほうれい線の周囲にもクリームを丁寧に塗ることが大切です。

自分でできるほうれい線対策

顔の筋肉を鍛えるエクササイズでほうれい線を目立たなくする

顔の表情筋を鍛えることで、ほうれい線を目立ちにくくすることが期待できます。普段あまり使わない口元を意識的に動かすなど、口周りを中心にトレーニングして、表情筋やほうれい線の改善を目指しましょう。
表情筋は、笑ったり口笛を吹いたり、おしゃべりすることで自然に鍛えられますが、意識して動かしながら舌を引っ込めるエクササイズも有効です。

メイクを工夫してほうれい線を目立たなくする

ほうれい線を隠したくてファンデーションを厚く塗ると、逆にほうれい線が目立ってしまうことがあります。ほうれい線をカバーするためには、リキッドタイプかクリームタイプのファンデーションを薄く塗りましょう。フェイスパウダーや日焼け止めを使って肌を整えたりすることで、よりなめらかな仕上がりを実現することが可能です。
また、メイクをする前にはほうれい線のあたりをしっかりと保湿し、肌を潤すことも大切です。

マッサージでほうれい線を予防する

ほうれい線の予防には、こめかみから側頭部にかけての側頭筋と口元の筋肉をマッサージもお勧めです。また、耳の前から、首のラインに沿って鎖骨に向かってマッサージを行う方法は、リンパ液の流れが改善され余分な水分や老廃物を体外に排出し、皮下脂肪の蓄積を防ぐのに役立ちます。
肌を強くこすると、摩擦による刺激が肌トラブルの原因になるため、軽いタッチでマッサージをしましょう。滑りを良くするためにオイルやクリームを使用し、中指や薬指で優しく圧を加えることもお勧めです。

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この記事を監修した人

征矢野 進一は、日本の医師。 長野県木曽福島町生まれ。1979年3月に東京大学医学部医学科を卒業後、1979年から1988年3月まで東京大学医学部形成外科に所属し、1988年4月に神田美容外科形成外科医院を開設。東京大学医学部附属病院の医局時代にコラーゲンの治験に携わり、日本の「注入剤によるシワ取り治療」に貢献した一人。以来長年にわたりコラーゲンやヒアルロン酸などのシワ取り注入剤の研究を重ねる。日本美容外科学会会長も務め、臨床医向けの「注入剤によるシワ取り治療」の講義を依頼され行うと共に、国内・海外で行われる美容外科学会での発表や医師向けの教科書など論文・執筆も行う。

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